歯磨きの歴史 -日本編-

前回は世界の歯磨きの起こりをお話ししていきました。今回はそんな多様な歯磨きがどうやって日本に入り、日本に浸透してきたのかについてお話ししていきます。

日本に歯磨きが入ってきたのは6世紀の仏教伝来と言われています。中国経由でインドの歯木が入ってきました。その歯木のことを楊枝や房楊枝と呼んでいたそうです。はじめは身分の高い人たちの間で広まった歯磨きの習慣ですが、平安時代から鎌倉時代にかけて民間にも広まり、平安時代末には歯木(楊枝)と同時に歯間を掃除する爪楊枝が使用されていました。
江戸時代に入るとこれらの習慣は広く普及し、楊枝が全盛期を迎えます。また同時に中国で見られた指に塩をつけて磨くという歯磨き方法も親しまれていました。
楊枝はこのように広く使用されていましたが、明治初期になると歯磨き道具はクジラ楊枝に変わっていきます。これは英領インドから伝わってきたと言われており、クジラの髭と馬の毛を合わせた現在の歯ブラシに近いものになります。明治の中頃には現在の歯ブラシとほぼ近い形になりますが、「歯ブラシ」と呼ばれるようになるのは更に後の明治末頃になります。

このように普段何気なく使っている歯ブラシにもこれだけの歴史があったのですね。
ぜひ歯磨きをする時に歯ブラシの歴史にも思いを馳せてみてくださいね。