みなさん、こんにちは。
前回の記事「歯が欠けたのを、そのまま放置していませんか?」では、欠けた歯をそのままにするリスクについてお伝えしました。見た目だけの問題に思われがちですが、実際には放置することで様々な健康リスクを引き起こす可能性があります。
今回は、その二次的な影響を深掘りして解説します。
1. 虫歯の急速な進行
欠けた歯の放置は、虫歯の温床になります。通常、歯の表面はエナメル質で守られていますが、欠けた部分から象牙質が露出すると、そこは細菌が侵入しやすい「入口」となります。象牙質はエナメル質よりも柔らかく、虫歯の進行速度が速くなるため、気付いたときには神経近くまで達していることも珍しくありません。
💡 ポイント: 欠けた部分が小さくても、見えない内部で深刻な虫歯が進行している可能性があります。
2. 歯の移動と咬合の乱れ
歯はお互いを支え合いながら安定した位置を保っています。しかし、欠けた歯を放置すると、その支えが崩れ、隣接する歯がゆっくりと移動してしまいます。これが「歯列不正」を引き起こし、噛み合わせ(咬合)のバランスが乱れます。
咬合の乱れは、次のような問題を招きます。
・咀嚼力の低下: 効率よく噛めなくなることで、消化不良や胃腸への負担が増します。
・顎関節への負担: 噛む力のバランスが崩れると、顎の関節に負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。
・頭痛・肩こり: 咬合のズレが全身の筋肉に影響を与え、慢性的な不調を引き起こすことも。
3. 感染リスクと神経への影響
欠けた歯を通じて細菌が歯の内部に侵入すると、歯髄(神経)が感染し、激しい痛みを伴う「歯髄炎」を引き起こすことがあります。この段階に至ると、根管治療が必要になる場合も。
さらに、感染が進行すると「歯根膜炎」や「顎骨炎」といった深刻な症状を引き起こすリスクもあります。
💡 早期治療の重要性: 痛みが出る前に治療を行えば、神経を保存できるケースも多いです。
4. 見た目の変化と心理的な影響
特に前歯が欠けた場合、見た目の問題が顕著になります。歯が欠けていることを気にして、人前で笑うのを控えたり、会話を避けるなど、心理的な負担が大きくなるケースも少なくありません。こうしたストレスが続くと、対人関係や社会生活に影響を及ぼすことも。
5. 修復治療の選択肢とタイミング
欠けた歯の治療は、欠けた部分の大きさや位置に応じてさまざまな方法があります。たとえば、軽度の欠けであれば、コンポジットレジン(歯科用樹脂)による修復が可能です。大きな欠けの場合は、クラウン(被せ物)が必要になることもあります。
放置するほど治療の選択肢が限られ、費用や期間も増える傾向があります。
まとめ
今回は、「欠けた歯を放置することで生じる重大なリスク」についてご紹介しました。欠けた歯は、単なる見た目の問題ではなく、虫歯や歯並びの乱れ、さらには顎関節への影響など、多くの健康リスクを引き起こす可能性があります。早期の対応が、将来の大きなトラブルを防ぐカギです。
えびな東口歯科では、お口の健康に関するご相談をいつでも承っております。気になることがございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
皆様のご来院を心よりお待ちしております。
TEL:046-292-5655