『白い雪、白い歯。』
〜オモシロ歯ばなし

<たかのこういち(著)>
<松本隆治(絵)>

 

交通事故が800件以上ですって、都心で。

「湾岸低気圧、すごい大雪、4年ぶりっていうけど、前の大雪なんか覚えてないのよ」。
海老名駅前のレストラン。二人の女性が、ホットケーキを食べながら、窓の外を見ている。雪がますます激しくなっていく。

「まるで雪国ね」。
さっきまで見えていた駅の看板たちも、縦横無尽に吹きつける白い雪に飲み込まれている。ホワイトアウト。1台の車がスリップしてコントロールを失い、ガードレールにぶつかる。

「ほら、あれだもんね」。

二人は、小学校の同級生。高校までいっしょだった。家が近いこともあって、ちょくちょく会っている。

「おたくの沙耶ちゃん、成人式だったね。お祝いしてないわ」。

「いいのよ」。

「着物にしたの?」

「そう、でも、レンタル。それにこの機会に歯の診断とホワイトニングをしたの」。
ついでに、自分もホワイトニングをしたと言う。

「それで歯がキレイなのね。白くてキレイ。わたしも従姉の娘の結婚式があるから、歯医者に行っておこうかな」。

店のマスターが、水を持ってくる。「いつもありがとうございます」。

「こちらこそ」。

顔馴染みだ。

 

海老名歯科の宮川院長に聞く。
「ホワイトニングは、なにかの機会にやる人が多いのですか?」
「そうですね。春は、進学や就職もあるし、いい機会です。診断の患者さんも多いですよ」。

海老名の歯を守りたい。それが宮川院長の願いです。